グラスウールの断熱性が高い理由

グラスウールの断熱性能は、細いガラス繊維が複雑に絡み合っている独自の構造にあります。
身近にある物質の中で、もっとも熱を伝えにくいのは空気です。
しかし空気は暖まると上昇し移動してしまい、それに伴って熱も移動してしまいます。
空気が持つ断熱性能をしっかり活用するには、空気が動かないように固定することが必要です。
グラスウールは細いガラス繊維の間に連続した無数の空気室があり、その空気を動かないようにすることで、高い断熱性能を発揮するのです。
高性能グラスウールの断熱性
高性能グラスウールは通常のグラスウールよりも細く、繊維径4~5マイクロメートルで製造されています。
繊維径を細くすると繊維本数は約4倍に、そして空気室の大きさが約4分の1になるため、より動きにくい空気室の構成が可能となり、さらに高い断熱性能を発揮することができます。
高性能グラスウールと通常グラスウールの断熱性能比較
高性能グラスウール | 通常グラスウール | |
---|---|---|
電子顕微鏡写真 | ![]() |
![]() |
繊維径 | 4~5マイクロメートル | 7~8マイクロメートル |
16K100mm | 2.6 m2・K/W | 2.2 m2・K/W |
24K100mm | 2.8 m2・K/W | 2.6 m2・K/W |
断熱性能の数値化

断熱性能を表わす数値として、熱伝導率( λ )と熱抵抗値(R)があります。
熱伝導率( λ )
熱伝導による熱の伝わりやすさを表わす数値です。
数値が小さいほど熱を伝えにくく、断熱性能に優れた材料であることを表わします。
熱抵抗値(R)
断熱性能を良くするには熱伝導率が小さいだけでは不十分で、材料の厚みを考慮することが必要です。
ある厚みを持った材料の断熱性能を表わす数値が熱抵抗値です。
熱抵抗値(R)算出式
熱抵抗値( m2 ・K/W)= 厚み(m)÷ 熱伝導率 W/(m・K)グラスウールは、密度及び厚みのバリエーションが豊富で加工しやすく、使用部位や用途に応じて最適な断熱性能を確保できる優れた断熱材です。
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