Case Study
CHIGURA(ちぐら) (「日本エコハウス大賞2016」性能設計部門賞)
日本エコハウス大賞2016「性能設計部門賞」を受賞した高性能断熱住宅の紹介です。
冬は雪が降り多湿なうえ日照が少なく、夏は高温多湿な気候の新潟県長岡市で、 住まい手がいつまでも健康に暮らせることを第一に考え、外皮性能を重視して設計された住宅。
外形は総2階のシンプルな形状で、東西北面の3方向の窓を減らし、南面に木製の大開口部が並ぶ形が、新潟に古くから伝わるワラで編まれたゆりかごの「ちぐら」 を連想させることから、この住まいは「CHIGURA」と名付けられました。
内部は、中央の吹き抜けで各部屋が緩やかにつながるプラン。
暖房に床下エアコン、冷房用に小屋裏エアコンを設置し、夏冬いずれもエアコン1台の運転で、家全体が快適な温度に保たれます。
吹き抜けで空気がつながるのと同様に、家族それぞれの居場所もつなぎ、心地よい一体感を生み出しています。
また、目や手に触れるところに地域の素材や手作りの品物を使い、寒い冬でも暖かい気持ちですごせるように願いを込めています。
設計・施工:いえらぼ 池田組住宅事業部
審査員講評
省エネ住宅の世界基準、パッシブハウスの仕様に最も忠実に考えられて建築している点を評価しました。
冬の日射取得と夏の日射遮蔽の設計は、応募作品の中でも完璧な計算でした。また燃費計算のシミュレーションを見たところ、断熱の費用対効果の良さも群を抜いたものがあったため、性能部門の受賞となりました。
また意匠面も手堅く、多くの方に親近感を持ってもらえる仕上がりです。
このようにパッシブハウスの基本をマスターして設計の土台にすることで、今後は表現の幅が広がっていくことが期待できます。
仕様構成図・各仕様データ
建物データ
所在地 | 新潟県長岡市 |
完成年月 | 2016年9月 |
家族構成 | 3人(夫婦+子1人) |
構造 | 木造在来軸組み工法 |
敷地面積 | 200.85m2 |
建築面積 | 68.06m2 |
延床面積 | 112.08m2 |
性能データ
UA値(Q値) | UA値0.286 W/m2K (Q値0.95 W/m2K) | |
C値 | 0.8cm2/m2 | |
一次エネルギー消費量 | 103.11kWh/m2 | |
断熱仕様 | 屋根・天井 | 高性能グラスウール16K 310mm (マグスーパーイエロー) |
外壁 | 高性能グラスウール 16K 225mm (マグスーパーイエロー) |
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床・基礎 | 基礎下:EPS 防蟻 50mm | |
窓 | 木製サッシ+スーパーパッシブペア硝子、樹脂サッシ+トリプル硝子 西面予備室:樹脂サッシ+熱感応型ガラス |
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気密 | 防湿気密シート | |
暖房設備 | 床下暖房:エアコン | |
冷房設備 | 小屋裏冷房:エアコン | |
給湯設備 | ハイブリッド給湯・暖房システム シングルハイブリッド タンク100L | |
換気設備 | 第一種熱交換換気システム |